神戸市・薬膳専門家さんのための教室 つばめ薬膳アカデミー
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【月刊つばめ通信】暖冬から考える、この春気をつけたいこと

2020/02/01
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薬膳を仕事にする人のためのメルマガ
月刊つばめ通信 2020年2月号
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こんにちは。渡辺真里子です。
いつも「月刊つばめ通信」をお読みいただき、ありがとうございます。
今日から2月。
ですが、今年は暖かいですね。
いつもなら何度か雪で真っ白になる我が家周辺ですが、
今年は昨日初めて雪が降るのを見ました(遅!)。
そうなると、冬は過ごしやすくていいんですが、
養生的にはこれからの季節がちょっと心配、、、でもあります。

そこで今回は「暖冬から考える、この春気をつけたいこと」というテーマで
これからの時期の養生について考えてみたいと思います。


ーーー

さてそもそもなんで暖冬だと春からが心配かというと

冬の寒気に十分にさらされないために

例年よりも身体が冷えていないから、なんです。

 

「身体が冷えていない」と書くとなんだかいいことのように思いますよね。

実際、ふだんから冷えに悩んでいる方にとってこの冬は

とても過ごしやすい冬だったと思います。

ただ、今回問題にしたいのは

その状態でこれから暖かい季節を迎えるということ。

ふだんから冷えていて、真夏でも寒気を感じている人はいいのですが、

普通の人は、本来冬に十分冷まされるべきなのが

暖冬だと中途半端な冷まし加減になってしまいます。

言い換えれば、冬が寒くなかったことで

多くの人が余分な熱を体内に抱えている状態になりやすい、というのが

暖冬であったことの心配点なのです。



じゃあその余分な熱があることでどうなりやすいかというと

ひとことでいえば炎症が起きやすくなります。

特にこれからの季節、春は風邪が盛んになり体表を襲いやすいので

皮膚の表面に炎症が起きやすいと考えられます。

 

例えば吹き出物とかじんましんなんかが

起こりやすくなるのではないか、と私はみています。

あと、アトピーの方もいつもの春よりも痒みが出やすいかも。

それから、花粉症の人は、鼻水はマシになるかもしれないけど

目の痒みがキツくなりやすいかも。

のどのかゆみや痛みも気になりますね。



じゃあ養生的にどうすればいいかというと、

まずはこれ以上余分な熱を体内に溜めないことが先決。

最も気をつけていただきたいのが香辛料や刺激物です。

唐辛子や胡椒など辛熱性のものは身体の陰を消耗させやすいですから

余計に熱もこもりますし、痒みも誘発させます。

お酒も辛熱性なので要注意。

そして刺激物というと具体的にはコーヒーやチョコレートがちょっと心配です。

今年のバレンタインのチョコは、少しずつ、がいいのかもしれません。

 

そしてもうひとつ心がけていただきたいのが、体力を落とさないこと。

つまり気を消耗させすぎないこと、です。

気が不足するとバリアの気である「衛気」が不足しやすくなります。

となると、身体は風邪(ふうじゃ)の影響を受けやすくなるので

吹き出物やじんましんなどが出やすくなってしまうのです。

だから、これからの時期は休めるときにはしっかり休むこと。

特に夜は早めに休むことを意識しておくといいと思います。



ところでちょうど今ホットな話題といえば、新型コロナウイルスですね。

患者数が急激に増えた春節あたりから

私もいろいろとネットで情報を追いかけていますが

2002年のSARSの時と同様に、

中国では中医学での治療効果も現れているようです。

国家中医薬管理局の当初の発表(1月22日ごろ)では

「熱・湿・毒・お(やまいだれ+於)」とみなされていたようですが、

3日ほど前の発表を見ると、初期や軽症の場合「寒湿」として

治療を組み立ているようです。

いずれにしても高熱が出るケースが多いことを考えると、

症状が出たら熱毒(あるいは湿熱)とみておくといいのかも。

そう考えると、今回の流行は今年の暖冬傾向とも関係があるのかもしれません。

 

国内でも患者さんが出ているので心配に思われている方も多いと思いますが

今回は飛沫感染で患者さんの咳やくしゃみに触れなければ大丈夫

(すれ違う程度ではうつらない)ということなので、

まずはしっかりと手洗いすることを心がけましょう。

そして衛気を高めるためにしっかりと睡眠を取ること。

すでに多くのメディアで言われている対策ですが、

養生的にも同じことが言えますね。

不安になりすぎず、ご自分やご家族の体力を守ることを第一に考えて

養生してみてくださいね。




■2月の暦■ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

2月に訪れる二十四節気と七十二候の暦です。

教室の生徒さんにお伝えしたり、お店のメニュー作りの目安にしたり

ご相談者さんへのアドバイスの参考にしてくださいね。



◇大寒…1月20日

 1年で最も寒い時期。しっかりと防寒しましょう。

・末候:鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく)…1月30日

 

◇立春…2月4日

 いよいよ春の始まりです。日がのび、光の力強さを感じるように。

・初候:東風解凍(はるかぜこおりをとく)…2月4日

・次候:黄鴬見睨(うぐいすなく)…2月9日

・末候:魚上氷(うおこおりをのぼる)…2月14日

 

◇雨水…2月19日

 空から降るものが雪から雨に変わる頃。寒さも少し和らぎます。

・初候:土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)…2月19日

・次候:霞始靆(かすみはじめてたなびく)…2月24日

・末候:草木萌動(そうもくめばえいずる)…2月29日



二十四節気とは1年を24等分(約15日間)した季節の暦。

そしてそれをさらに3等分(約5日間)したものが七十二候です。

それぞれの名前は気象や動植物の変化にちなんだものがつけられており、

季節の変化を知る上でとても役に立ちます。



さていよいよ明々後日から暦では春が始まります。

春は「黄帝内経」で「発陳」の季節と言っているように、

様々なものが動きやすくなり、

冬の間縮こまっていた体ものびやかさを取り戻すようになります。

陽気が発散されやすくなるのですが、

実はそこに寒さがぶつかると神経痛などの「痛み」が起きやすくなります。

実際、鍼灸院などではこの時期に

痛みを訴えて来院する患者さんが増えるのだそうです。

 

なので、春とはいえどもまだまだこの時期は防寒が必要。

特に引き続き足元はしっかりと保温するように心がけてくださいね。

内くるぶしから指4本分上がったところにある「三陰交」というツボには

脾・肝・腎の3つの経絡が通っていますから

靴下を履くならこのツボのあたりまでしっかりとカバーできる

長さのものがおすすめです。




■つばめ薬膳アカデミーからのお知らせ■ーーーーーーーーーーーー

 

◆薬膳師のためのブラッシュアップセミナー◆

月ごとに平日と週末の各1回開催。

「冷え症」「むくみ」など毎月1テーマを設け、

中医学的な見立て方や薬膳レシピを立てるポイントをお伝えします。

2月…「めまい・頭痛」2月7日(金)

3月…「胃腸の不調」3月1日(日)、3月6日(金)

https://tsubameyakuzen.com/contents_166.html

お申し込みの受付は

2月分:2月7日開催…明日2日まで

3月分についてはお申し込み状況によって

開催1週間前までの受付となることがあります。

お申し込みはどうぞお早めに。



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ベーシックコース次回は3月スタート予定です。

日程は2月3日ごろにホームページで公開します。

しばらくお待ちください。

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薬膳のプロ・先生だからこそ、知って活用していただきたい「漢方薬」。

この講座では、特に薬店などで手に入る「漢方薬」に絞って

それぞれの効能や使い分けをご紹介します。

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コース受講は満席となりましたが、単回受講は可能です。

お問い合わせフォームよりお問い合わせください。

 ↓

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◆つばめ相談室◆

薬膳を仕事にするあなたのための120分。

講座をどう組み立てる?

薬膳メニューを導入したいけれど、どうしたらいい?などなど、

仕事をする中で生まれた疑問・お悩みの解決にお役立てください。

https://tsubameyakuzen.com/contents_18.html



◎渡辺真里子登壇イベントのお知らせ

 

◆ヨガ×薬膳「季節の養生ランチレッスン」◆

神戸・三宮開催。

ヨガインストラクター三木あこさんとのコラボイベントです。

今回は「春ののびやかケアでストレスフリーな美しさを!」を

テーマに、体ケアと食の2つの視点から養生法をご紹介します。

春の養生にぴったりのランチ付き。

2月24日(月祝)11:00〜



◆「季節の紅茶を味わうレッスン」◆

兵庫・明石開催。

ティーインストラクター木下昌子さんとのコラボイベントです。

春編の今回は和菓子と紅茶のマリアージュを楽しんでいただきます。

もちろん春の養生についてのお話付きです。

3月7日(土)14:00〜

 

詳しい内容はいずれもご案内の準備が整い次第、

渡辺のブログでご案内します。

しばらくお待ちください。

https://ameblo.jp/malicoyakuzen



◎その他お知らせ

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渡辺の体質改善プログラム「体質タイプ・コンサルティング」で

お伝えしている8つの「体質タイプ」。

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◆渡辺真里子のLINE@、配信しています。

季節の暦の節目にその時期におすすめの食材・養生法などをお知らせします。

メッセージで食材名を送信すると、その食材の薬膳的効能もお伝えしています。

出先でちょっと効能を調べたい、という時にご利用くださいね。

https://line.me/R/ti/p/%40wli3938k