神戸市・薬膳専門家さんのための教室 つばめ薬膳アカデミー
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【月刊つばめ通信】熱中症対策にこそ薬膳の知恵を

2019/08/01
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薬膳を仕事にする人のためのメルマガ
月刊つばめ通信 2019年8月号
https://tsubameyakuzen.com
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こんにちは。渡辺真里子です。

梅雨が長引いて、今年は冷夏なのかなあと思っていたら
このところの暑さは本当に厳しいですね。
我が家は神戸の山奥なので涼しい方なのですが
それでもここ1週間ほどはエアコンのお世話になっています。

ニュースを見ていると熱中症での救急搬送件数もうなぎ上りの様子。
熱中症対策としてこまめな水分補給などが呼びかけられていますね。
でも、薬膳を学んだあなたなら、
ぜひ今こそ薬膳の知恵を活かしてほしいのです。
今回は薬膳の視点で熱中症対策を考えてみましょう、というお話です。

 

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熱中症対策としてよく言われるのが、こまめな水分補給。
たしかに熱中症は、よく脱水症状を併発するので
水分を適切に補給することはとても大切です。
 
でも薬膳の視点で考えると、
水分をたくさん摂ることは脾胃に負担になるとも考えられます。
特に脾は湿を嫌うので、過剰な水分補給は運化作用を低下させ、
消化機能を弱める他にむくみなど水分代謝の異常を引き起こす原因にも。
だから「水分補給最強!」とも言えないのですよね。
 
 
そこで上手に使ってほしいのが食べ物の力。
薬膳には食べると身体を冷ます、温めるという、四気という考え方があります。
また一部の食材には体内の余分な熱を冷ます「清熱」という効能をもつ
という考え方もあります。
これらは現代の栄養学にはない視点なので、
薬膳を学んだ人ならぜひ上手に取り入れて活かしてほしいのです。
 
 
特に今のような暑さの厳しい時期はトマトやキュウリ、豆腐など
清熱作用とともに生津作用を持つものがおすすめ。
体内にこもった熱を冷ますとともに汗で失われた津液を回復させるので
一石二鳥ですね!
 
スイカは中国では「天然の白虎湯」とも呼ばれます。
「白虎湯」は高熱で汗をたくさんかいているような時に使う方剤の名前。
秋(=白虎)のように涼しくしてくれる、という意味です。
 
スイカ、キュウリだけでなく、ウリ科の食材には
利尿作用と清熱作用を併せ持つものがたくさんあります。
利尿作用があることで、体内にこもった熱を速やかに排泄する
という効果が考えられるので、これらも熱中症対策にはぴったり。
 
また、熱中症が疑われるときは
これらの食べ物の他に、もし緑豆がお手元にあるなら
ぜひ煎じてお茶として飲んでみましょう。
緑豆には古くから中毒の治療薬として用いられるほど
優れた清熱解毒薬です。
緑豆の薬効は皮に多く含まれますので、煎じるのは5分ぐらいでOK。
氷砂糖や蜂蜜で甘みをつければ飲みやすくなりますよ。
 
 
せっかく学んだ薬膳も、実際の生活の中で活かしてナンボのものです。
ぜひ、薬膳の知恵を活かして、ご自分やご家族を熱中症から守りましょうね!
 
 
 
■8月の暦■ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
8月に訪れる二十四節気と七十二候の暦です。
教室の生徒さんにお伝えしたり、お店のメニュー作りの目安にしたり
ご相談者さんへのアドバイスの参考にしてくださいね。
 
◇大暑…7月23日
 1年で最も暑くなる時期。熱中症には要注意です。
・末候:大雨時行(たいうときどきふる)…8月2日
 
◇立秋…8月8日
 まだまだ暑さは続きますが、季節は秋に入ります。
・初候:涼風至(すずかぜいたる)…8月8日
・次候:寒蝉鳴(ひぐらしなく)…8月13日
・末候:蒙霧升降(ふかききりまとう)…8月18日
 
◇処暑…8月23日
 ようやく厳しい暑さが収まる頃。空には赤とんぼの姿が見られるように。
・初候:綿柎開(わたのはなしべひらく)…8月23日
・次候:天地始粛(てんちはじめてさむし)…8月28日
・末候:禾乃登(こくものすなわちみのる)…9月3日
 
 
二十四節気とは1年を24等分(約15日間)した季節の暦。
そしてそれをさらに3等分(約5日間)したものが七十二候です。
それぞれの名前は気象や動植物の変化にちなんだものがつけられており、
季節の変化を知る上でとても役に立ちます。
 
 
暑い日が続きますが、季節は8日に早くも秋を迎えます。
暑くて汗をかくので実感しにくいのですが、秋は燥気が盛んになる季節。
なので、立秋を過ぎたら乾燥には気をつけたいところです。
特にこの時期になると夏バテから食欲不振になる人も多いので
カレーやエスニック料理など
スパイスたっぷりの料理が食べたくなる人も多いことでしょう。
スパイス類には食欲増進効果があるので良いといえば良いのですが
乾燥対策という意味では要注意。
辛熱性なので発汗性が強く、その分血や津液を消耗させてしまうからです。
 
特に、毎年秋になるとカゼをひいて空咳が止まらない、
という人ほど注意が必要です。
秋は潤すものを摂ることも大事ですが、
余計に潤いを消耗させてしまうことをできるだけ避けることも大切。
もし辛いものが食べたくなったら、
例えばインドカレーにはラッシーがセットでつくように、
身体を潤す食材も必ずセットで摂るようにしましょうね。
 
 
 
■つばめ薬膳アカデミーからのお知らせ■ーーーーーーーーーーーー
 
◎新セミナー、スタートします
◆薬膳師のためのブラッシュアップセミナー◆
月ごとに平日と週末の各1回開催。
「冷え症」「むくみ」など毎月1テーマを設け、
中医学的な見立て方や薬膳レシピを立てるポイントをお伝えします。
8月…「むくみ」8月3日(土)、8月9日(金)
9月…「不眠」9月6日(金)、9月8日(日)
https://tsubameyakuzen.com/contents_166.html
8月3日分はサイト上では受付終了になっていますが、
受講ご希望の方はお問い合わせください。
お問い合わせフォーム
https://tsubameyakuzen.com/webform_14.html
 
◆薬膳レシピ作成スキルアップ講座◆
ベーシックコース次回は8月9日スタート予定です。
https://tsubameyakuzen.com/contents_21.html
アドバンスコース7月新クラス開講。
https://tsubameyakuzen.com/contents_20.html
いずれのコースも単発での受講が可能です。
 
まずは体験セミナーから
8月10日(土)、9月5日(木)開催予定です。
https://tsubameyakuzen.com/contents_51.html
このほかにも開催可能な日がありますので、お問い合わせください。
お問い合わせフォーム
https://tsubameyakuzen.com/webform_14.html
 
◆つばめ相談室◆
薬膳を仕事にするあなたのための120分。
仕事をする中で生まれた疑問・お悩みの解決にお役立てください。
https://tsubameyakuzen.com/contents_18.html
 
 
◎予告その1
◆「体質タイプ・薬膳茶」まもなく販売スタート!◆
渡辺の体質改善プログラム「体質タイプ・コンサルティング」で
お伝えしている8つの「体質タイプ」。
このほど、それぞれのタイプに合わせた薬膳茶を開発しました。
8月中には教室やホームページを通じてお買い求めいただけるよう
現在準備中です。
 
◎予告その2
◆9月に紅茶の先生とのコラボレッスン行います◆
季節に合ったおいしい紅茶を飲みくらべる企画。
渡辺は季節の特徴と上手な過ごし方についてお話しします。
9月27日(土)明石市内での開催です。
ぜひお日にち開けておいてくださいね!
 
いずれも詳しいご案内は渡辺のアメブロでまもなくお知らせします。
https://ameblo.jp/malicoyakuzen
 
 
◆渡辺真里子のLINE@、配信しています。
季節の暦の節目にその時期におすすめの食材・養生法などをお知らせします。
メッセージで食材名を送信すると、その食材の薬膳的効能もお伝えしています。
出先でちょっと効能を調べたい、という時にご利用くださいね。
https://line.me/R/ti/p/%40wli3938k