ということで、ここ最近の公式LINEやインスタなどでは入院ネタばっかり書いていたのですが笑
今回の入院・手術を経験してつくづく思うのは
「薬膳・中医学を勉強していてよかったな」ということと
「実際に体調の変化を感じることは学んだことのおさらいになるな」ということでした。
実は手術後、とある事情で貧血になってしまいまして。
しばらく鉄剤の点滴をしていたぐらいで、3日間ほど寝たきり状態になっていました。
(体を起こすことはできたんだけど、ふらつくので立ち上がれなかったんですよ)
でね。
その時に自覚した症状というか体の変化がなかなか興味深かったんです。
まずびっくりしたのが、朝起きた時に目の前になんか白いキラキラしたものが飛んで見える症状。
いわゆる「飛蚊症」は黒いものが蚊みたいに目の前にチラつく症状ですが、
その逆バージョンみたいな感じですね。
その時に私が思ったのは「あー肝血がかなり減ってるんだな」ということでした笑
ご存じのように肝には蔵血、つまり血のストックをしておく働きがあるわけで
貧血になるということは真っ先に肝に蓄えた血が消耗します。
ということは、肝血によって養われている目の見え方にも影響が出てくる、というわけです。
そのほかに興味深かったのは皮膚の状態。
ようやく歩けるようになりトイレで鏡を見たら、顔がしぼんでシワっぽくなっていたり
入院中ずーっとおでこがかゆくてカサカサしていたり。
私はいつも血の働きのひとつとして「全身を潤して営養(栄養)する」と説明しているんですが
まさしく今回貧血になったことでお肌の栄養不足や乾燥が進んだことを実感しました。
あと、術後しばらくのどの乾燥感がひどくてなんとなく痛かったり痰がからむ感じがしていたんですが、
貧血の解消と共に楽になったのも印象に残っています。
のどの潤いを守るのは津液のお仕事ですから、まさしく「津血同源」の表れですね。
というように、自分の体の変化を観察するのになかなか興味深かった入院生活でありました。
ところで私がここでつらつらと症状のことを書いたのは
「こんなつらいことがあったのよー」とお伝えしたかったわけではありません。
自分の体を通じておさらいできることって、薬膳をお伝えする中での話のネタ
つまり理論の具体例として使えるよーということなんです。
薬膳を学ぶ中で、特に五臓や気血津液の働きは教科書的な言い回しをまず覚えないといけなかったりして
そうするとその意味がいまいちピンとこなかったりすること多いですよね。
例えば「肺の華は皮毛に現れる」と聞いても「は?なにそれおいしいの?」とか。
でも秋など空気が乾燥してくると空咳をする人が多くなるとともに
お肌の乾燥が進んでカサカサすることも多くなりますよねー、とか聞くと
一気にその意味がわかりやすくなった、という経験、ありませんか?
私が受講生さんからよく聞かれることのひとつに
「薬膳の専門的な言葉をどうわかりやすく伝えるか」ということがありますが
(というか、これって薬膳を伝える人にとっては永久課題ですよね)
そのひとつの解決方法が「具体例をあげること」だと考えています。
だから自分のものでも人のものでもいいんですけれど
症状やトラブルの具体例をたくさんお話のネタとして持っておくことって
薬膳を伝える上ではとっても大事です。
特に自分の経験は、それこそリアルに話せるはずなので、話のネタとしてもとてもとても貴重。
だから薬膳を伝える人ってある意味「毎日が人体実験」だと思ってます笑
そういう意味で、今回の入院生活は私にとってはネタの宝庫でもありました。
もちろん具合の悪い時はつらいしひどくはなりたくないけど
そこで起こった自分の体の変化はとても興味深くて観察するのに結構忙しく
その分、体のつらさも感じにくくなっていたような気もします。
ものは考えよう、かな?
もちろん、これは入院や病気にかかることをすすめているわけではありません。
毎日元気に健康で過ごせることが一番!です。これは絶対。
でも、なにかしら具合が悪くなってしまった時は、
薬膳の理論も思い出しながらご自分の体を観察してみてください。
結構たくさんネタが掘り出せると思いますよ。
そして薬膳でお手当してみて改善した!という結果が出たら
それもセットでお話のネタになりますよね。
薬膳の理論・知識は日常生活の中で活かしてなんぼ。
それは薬膳を伝える人ほど普段から意識しておいてほしいな、と思います。
■5月の暦■ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
5月に訪れる二十四節気と七十二候の暦です。
教室の生徒さんにお伝えしたり、お店のメニュー作りの目安にしたり
ご相談者さんへのアドバイスの参考にしてくださいね。
◇穀雨…4月20日
この頃に降る雨は穀物をうるおし、ぐんと成長を助けます。
・末候:牡丹華(ぼたんはなさく)…4月30日
◇立夏…5月5日
暦ではいよいよ夏のスタートです。
ぼちぼち暑さ対策も必要になってきます。
・初候:蛙始鳴(かわずはじめてなく)…5月5日
・次候:蚯蚓出(みみずいずる)…5月11日
・末候:竹笋生(たけのこしょうず)…5月16日
◇小満…5月21日
いわゆる麦秋と呼ばれる頃。
暦名の由来には麦が育ちほっと一安心できる頃、という説があります。
・初候:蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)…5月21日
・次候:紅花栄(べにばなさかう)…5月26日
・末候:麦秋至(むぎのときいたる)…5月31日
二十四節気とは1年を24等分(約15日間)した季節の暦。
そしてそれをさらに3等分(約5日間)したものが七十二候です。
それぞれの名前は気象や動植物の変化にちなんだものがつけられており、
季節の変化を知る上でとても役に立ちます。
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今月の養生テーマ
「汗ばむ今から熱中症対策を」
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毎月初めにアップをしている動画「つばめの養生メッセージ」。
今月は編集作業がまだ終わっておらず、公開が遅れております。
ごめんなさい。
5日までには公開できる予定ですので、
アカデミーHPのトップページからぜひご覧くださいね。
つばめ薬膳アカデミーHP
さて今月は5日に立夏、21日に小満を迎えます。
そう、季節はもう夏!早いですね〜。
そして早いところでは今月後半、小満の頃から梅雨に入るようになります。
ちなみに沖縄では梅雨のことを「スーマンボースー」というのだそうで
これは二十四節気の「小満」と「芒種」のことを指しています。
つまり5月後半から6月前半、ということですね。
夏に入ったということで、そろそろ日によっては汗ばむことも多くなってきますね。
そうなるとぼちぼちと気を付けておきたいのが「熱中症」です。
ということで、今月の動画では熱中症対策として今から備えておきたいことを
お話ししました。
〜「汗ばむ時期の熱中症対策」ための薬膳のヒント〜
熱中症対策にぜひ活用していただきたい食材を今月のおすすめ食材として動画の中でご紹介しましたので
具体的な食材についてはぜひ動画をご覧いただくとして(しつこい笑)
ポイントとしては「生津止渇」の効能を持つものを選択することが挙げられます。
それは汗をかくといういことは体内の血や津液を消耗する、ということでもありますし
汗をかけば当然のども渇きますからね。
ちなみに「生津止渇」の効能を持つものには夏野菜や果汁たっぷりの果物などが多いように思います。
だから当たり前と言えば当たり前ですが
「のどが渇いた時に食べたくなるもの」に注目しておくといいのかな、という気がします。
(どの食材が、ということについては、薬膳の辞典や教科書によって違っていたりするので
ここではざっくりとしたイメージをお伝えしますね)
熱中症は体内に熱がこもりすぎることで起こるわけですが、
予防するためにはもともと体が持っている「熱を冷ます力」を保っておくことがとても重要。
だから汗をかいたあとはしっかりとその分を補充することを意識しておきましょう。
あとは食からは外れますが、日差しのきつい日は直射日光を避けるとか
要は体内にたくさんの熱が入り込まないように工夫することもこれからの時期は大切になってきますよ。
特に普段からお肌やのどが乾燥しやすい人、貧血気味の人は血や津液が不足気味。
つまり「冷ます力が弱い」ので直射日光の当たり過ぎには注意しておいてくださいね。
■つばめ薬膳アカデミーからのお知らせ■ーーーーーーーーーーーー
◆薬膳師のためのブラッシュアップセミナー◆
月ごとに平日と週末の各1回開催。
「冷え症」「むくみ」など毎月1テーマを設け、
中医学的な見立て方や薬膳レシピを立てるポイントをお伝えします。
5月…「ダイエット・肥満」…5月8日(日)
6月…「更年期」…6月5日(日)
※いずれも教室受講、オンライン受講、録画視聴からお選びいただけます。
◆今月は10日と20日。薬膳師のための無料オンライン進路相談◆
薬膳資格を取ったそのあとは?
もうすでに資格は取ったけれど、これからどうやって活動を始めれば?
そんな疑問にお答えします。
もちろんつばめ薬膳アカデミーの講座・ワークショップの内容について
いろいろ質問したいという方も大歓迎!です。
今月は10日(火)と20日(金)です。
先着順で前日まで受け付けています。
お申し込みはこちらからどうぞ。
https://tsubameyakuzen.com/contents_251.html
◆薬膳プロ・スキルアップ講座(薬膳レシピ作成スキルアップ講座)◆
ベーシックコース
https://tsubameyakuzen.com/contents_21.html
アドバンスコース
https://tsubameyakuzen.com/contents_20.html
◆おうち教室作りワークショップ◆
https://tsubameyakuzen.com/contents_236.html
上記については現在リクエストによる開講とさせていただいています。
ご興味のある方、受講希望の方はアカデミーホームページよりお問い合わせいただくか、
「無料オンライン進路相談」をご予約ください。
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そのほかの講座・セミナーについては
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