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湿邪対策というと、利湿の効能を持つ食材や中薬を使って尿として排泄する
というのが、一般的な方法ですよね。
そして、そのためのよく使うのがはと麦(薏苡仁)とかとうもろこしなど、
ということは、薬膳を勉強している人ならすぐに思いつくことでしょう。
実際、むくんでいる時や湿気で体が重だるい時に食べると
尿量が多くなってスーッと体が軽くなった経験、私にもあります。
ただ、詳しく効能を見ていくと、
これらの食材って寒涼性だったり、清熱の効能を持っていたり。
どちらかというと体を冷ますように働きかける食材なんです。
梅雨というと、梅雨明け間近の頃になると気温も上昇して
蒸し暑さを感じることが多くなりますが、
梅雨の期間ずっと暑い、ということってあんまりないですよね。
どちらかというと、梅雨入り直後などはいわゆる「梅雨寒」と呼ばれるような
ひんやりとした肌寒さを感じることの方が多いです。
ということは、
梅雨明けの頃はまだしも、肌寒い日などは
はと麦とかとうもろこしってちょっと使いにくい感じ、しますよね。
さてどうしましょう???
ちょっとここでおさらい。
湿邪とは見えない水分のことですが、
陰と陽で区別をすると「陰邪」にあたります。
だからそもそも、湿邪は温めた方が動かしやすく排泄しやすい邪気
ということを思い出してみてくださいね。
そこで例えばなんですけれど、
雨つづきで身体が重だるいな、という時に
運動して汗かいてみたらすっきりした!という経験したことないですか?
私はあります!笑
つまり、湿邪を排泄するには「汗をかく」ことで「皮膚から発散」することも
有効な手段なのですね。
特に肌寒い時は「発汗」した方が効果がでやすいし手っ取り早い。
(発汗は皮膚からすぐに排泄できますが
尿で出すとなるといったん体内を通す分、時間もかかるし)
だから湿邪対策は、今の状態が「寒」なのか「熱」なのか
今問題になっている湿邪のタイプが「寒湿」なのか「湿熱」なのか
を見分けて対処できると、さらに効果的なんです。
じゃあどうやって「寒湿」と「湿熱」を見分けるかというと
簡単なのは体感で寒さを感じるか暑さを感じるか。
もう一歩突っ込むと、
温めた時と風に当たるなど冷ました時ではどちらが心地いいか
ということがひとつの目安になります。
この場合、温めて心地いいのは「寒湿」
冷ますと心地いいのは「湿熱」です。
さらに判断を確実にするには舌を見てみましょう。
苔が白く厚ければ「寒湿」、黄色くて厚ければ「湿熱」です。
たまに体感と舌の状態が矛盾することがありますが、
その場合は舌の状態で判断してください。
ところで、湿邪対策には利湿のものを使うと書きましたが、
「寒湿」で「発汗」したい時は何を使ったら効果的か、わかりますか?
答えは、辛温解表のもの。
わかりやすいところでいうと、しょうがやねぎ、大葉、です。
そうそう、冬のカゼと同じ。
梅雨時にブルっときたら辛温解表のものを選択してみてくださいね。
■6月の暦■ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
6月に訪れる二十四節気と七十二候の暦です。
教室の生徒さんにお伝えしたり、お店のメニュー作りの目安にしたり
ご相談者さんへのアドバイスの参考にしてくださいね。
◇小満…5月21日
陽気が満ち、万物の生長がぐんと進む頃。
・末候:麦秋至(むぎのときいたる)…6月1日
◇芒種…6月6日
芒(のぎ・もみ殻にある突起)のある穀物(稲など)の種をまく頃。
この頃から梅雨入りする地域も。
・初候:蟷螂生(かまきりしょうず)…6月6日
・次候:腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる)…6月11日
・末候:梅子黄(うめのみきばむ)…6月16日
(入梅(雑節):6月11日)
◇夏至…6月22日
1年で最も陽気が盛んになる頃。蒸し暑さも感じやすくなります。
・初候:乃東枯(なつかれくさかるる)…6月22日
・次候:菖蒲華(あやめはなさく)…6月27日
・末候:半夏生(はんげしょうず)…7月2日
二十四節気とは1年を24等分(約15日間)した季節の暦。
そしてそれをさらに3等分(約5日間)したものが七十二候です。
それぞれの名前は気象や動植物の変化にちなんだものがつけられており、
季節の変化を知る上でとても役に立ちます。
6月に入り、いよいよ梅雨のジメジメが気になる時期になりました。
薬膳では当然!湿邪の影響を考慮した食材を多く取り入れたいですね。
特に普段からむくみやすい人は要注意。
自然界には「同類相求む」という法則があって、
水の入ったコップと空のコップでは
同じ環境でもコップの表面に着く水滴の量が異なるように
体内に湿邪(内湿)が多い人ほど、
外からの湿気(外湿)の影響を受けやすい傾向があります。
ぜひ今回のメルマガの内容を参考に
今年の梅雨は「身軽な身体」を目指してみてくださいね!
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受付は6月10日23時まで。
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季節の暦の節目にその時期におすすめの食材・養生法などをお知らせします。
メッセージで食材名を送信すると、その食材の薬膳的効能もお伝えしています。
出先でちょっと効能を調べたい、という時にご利用くださいね。
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