神戸市・薬膳専門家さんのための教室 つばめ薬膳アカデミー
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【月刊つばめ通信】今回の感染症、中医学の知識でどう付き合うか考えてみましょう

2020/07/02
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薬膳を仕事にする人のためのメルマガ
月刊つばめ通信 2020年7月号
https://tsubameyakuzen.com
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こんにちは。渡辺真里子です。
今回は都合により一日遅れの配信とさせていただきました。

気がつけば昨日から7月。
2020年ももう後半なんですねー。
つい最近お正月を迎えたと思ったのに、早いなあ。。。
…ということを毎年のように言っているような気もするのですが、
今年はコロナの影響で余計に早く感じます。
あと半年、今年中にはある程度収束が見込めるようになってくれるでしょうか。

とは言いつつも、今日はまた東京で新規に感染確認された方が100人を超えたとか。
なかなか気が抜けないですね。
そんな時こそ、これまで勉強してきた中医学の知識を活用しましょう。
今回はそんなお話をしたいと思います。

ーーー



今回のウイルス感染症(COVID−19)については

まだまだ未知のことが多く対応が難しいですが、

それでも最近ではこれまでの多くの治療経験による知見が

論文として発表されるようになってきました。

薬膳の発祥である中国では、中医学による治療も

「中西結合」(中医学と現代医学を組み合わせた医療)の形で

数多く行われてきたようです。

その成果については、

このメールマガジンでリンクの形でご紹介してきた情報の中にも

数多く反映されていたことと思います。

そこで、今私が理解している、今回の感染症についての中医学での考え方を

ざっとまとめてみたいと思います。

 

今回の感染症は、流行の当初から「湿」の性質を持った邪気によるもの

と言われていました。

(特に患者さんの舌を見ると苔がびっしり分厚くなっているそうです)

最初それを聞いたときは「なんで?」と思ったのですが、

ご存知のように、いったん治ったと思ったのにまた陽性になっちゃったとか

長い人だと治癒するまでに何ヶ月もかかるなどということを聞くと

確かに粘滞性を持つ湿邪が悪さをしている、と考えるのは納得できます。

 

ただ、何が重症化するかしないかの分かれ目になるのか、は

現在でもいまいちはっきりとしてないですよね。

もちろん傾向はわかってきていますが。

(高齢者とか、基礎疾患があるとか)

でも、一般の人よりは明らかに体力がありそうな元スポーツ選手の有名人の方が

重症化していたケースとかもありますし、なんかはっきりしない。



そこでこちらの情報をご紹介したいと思います。

新型コロナウイルス感染症(COVID−19) 中国の経験に学ぶ

http://www.chuui.co.jp/chuui_plus/002905.php

東洋学術出版社さんのサイトです。

実際に武漢で治療にあたられた中医師3名の先生方の講演録がアップされています。

 

そこで注目したいのが、最初に掲載されている仝小林先生のお話です。

詳細は割愛しますが、この先生によると今回の感染症は「寒湿疫」で

重症化しやすいのは陽虚体質の人だと捉え、治療を組み立ていたそうです。

これに関しては、まだまだ今後も検討の余地があると思いますが

重症化の要素に「陽虚」があるのはなんだかわかる気がします。

世代的に見て、陽の強い子供はあまり重症化のケースがないとされているからです。

 

そう考えると、やはり今回の感染症は、

陽気があふれて気温が高い夏の間はまだマシだけど

陽気が少なくなる冬は心配、と考えるのが妥当かな、という気がしますよね。



さて、ここからが本題。

ということは、私たちはこれからもこの感染症と付き合っていくためには

しっかりと体の陽気を保っておくことが大切、ということになります。

となると今の、夏至は過ぎたものの自然界に陽気が満ちあふれている時期の

過ごし方って大切です。

中医学では「冬病夏治」という言葉があります。

冬にひどくなる病、つまり陽気の不足による持病がある人は

夏にしっかりと陽気を自然界からいただいておくことで治していきましょう

という考え方です。

次の冬に向けて、この考え方、使えると思いません???

 

そうすると、心がけたいのはふたつ。

体を冷やすことは陽気を傷つけることになるので、

冷たいものの取り過ぎやクーラーの当たり過ぎには要注意、

(もちろん熱中症対策も必要ですけれど)

そして

熱中症には注意しつつ、お日様の光を浴びる時間を作る、ということです。

 

ひとつ目は言わずもがなですが、二つ目は盲点かもしれません。

お日様にあたることで、陽気をいただく、ということですね。

とはいえ、真夏の直射日光は避けたいもの。

であるなら、朝のお散歩とかはいかがでしょう?

朝は陽気が急激に上所する時間帯なので、

効率的に陽気をいただきやすいです。

 

熱中症対策には、薬膳の知識を使って

清熱の作用を持つものを選び、積極的に取るのがいいと思います。

トマトとかきゅうりとかは最強!笑

でも冷蔵庫から出したてよりは常温に近い方がいいですよね。

 

今回のように未知の病気に対して対応できるのは

体に現れている症状から弁証することで対策を考えることのできる中医学だからこその強みだと思います。

であるなら、ここはぜひとも持てる知識を活用すべきでは?と思うのです。

そして、そういう経験は、

あなたが今後薬膳を伝えていく中での貴重な事例になります。

事例が豊富だと、受講生さんやお客様への説得力が高まるので

ぜひともチャレンジしてみてくださいね。

またこのメルマガでも新たな情報が得られた時にはシェアしたいと思います。



さて、長くなりましたが、ひとつお知らせです。

 

前号で「おうち教室をやってみましょう」と書きましたが、

この秋からあなたの「おうち教室」作りをサポートするワークショップを始めることになりました。

今月中にはホームページやブログで内容をご案内できると思います。

ぜひチェックしてくださいねー。

そしてワークショップでお会いできるとうれしいです!




■7月の暦■ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

7月に訪れる二十四節気と七十二候の暦です。

教室の生徒さんにお伝えしたり、お店のメニュー作りの目安にしたり

ご相談者さんへのアドバイスの参考にしてくださいね。



◇夏至…6月21日

 1年の中でで最も陽が極まる頃。蒸し暑さを感じ始める時期です。

・末候:半夏生(はんげしょうず)…7月1日

 

◇小暑…7月7日

 暑さに厳しさを感じ始める頃。早いところでは梅雨明けも。

・初候:温風至(あつかぜいたる)…7月7日

・次候:蓮始開(はすはじめてひらく)…7月12日

・末候:鷹乃学習(たかすなわちがくしゅうす)…7月17日

 

◇大暑…7月22日

 文字通り1年で最も暑くなる頃。水辺が恋しい時期です。

・初候:桐始結花(きりはじめてはなをむすぶ)…7月22日

・次候:土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし)…7月27日

・末候:大雨時行(たいうときどきふる)…8月2日



二十四節気とは1年を24等分(約15日間)した季節の暦。

そしてそれをさらに3等分(約5日間)したものが七十二候です。

それぞれの名前は気象や動植物の変化にちなんだものがつけられており、

季節の変化を知る上でとても役に立ちます。

 

今月は前半に「小暑」、後半に「大暑」が訪れます。

文字通り暑さが最も厳しく注意が必要な1ヶ月です。

とはいえ、最近は10月ぐらいまで気温が高い日が続いたりしますね。

年々夏バテを感じる期間が長くなっていると感じている方も多いのではないでしょうか?

 

暑さは気候変化の中でも最も体力を消耗します。

汗をかくことによって気血が体の外へ出てしまいますからね。

そのため夏バテは暑さのピークよりも遅れてやってきます。

なので、今月は1年で最も暑くなる今月は熱中症対策はもちろん

夏バテの予防としても過ごし方が重要なひと月です。

 

時期的には、月の半分は梅雨とも重なります。

梅雨は湿気の多い季節ですから、脾胃の機能低下には要注意。

一方で暑さによる気血の消耗が進むわけですから、

消耗した分はできるだけしっかりと補えるよう、消化機能は整えておく。

つまり、普段よりもさらにお腹の調子を整える、

お腹に負担をかけない食生活を心がけるようにしましょう。

冷たいもの、生ものはほどほどに。

水分を取るなら、冷たい飲み物をがぶ飲みするよりは

あっさりした温かい汁物を取り入れるなど食事の形でとるのがおすすめです。



■この時期おすすめの「体質タイプ・薬膳茶」■ーーーーーーーーー

 

昨年秋より販売を開始した「体質タイプ・薬膳茶」。

気虚・血虚・陰虚・陽虚・陽盛・気鬱・血瘀・痰湿

それぞれの体質に合わせてブレンドした8種類をラインナップしています。

今回からこの時期におすすめの商品をご紹介していきます。

 

今回のおすすめは「ルビータイプ」。

熱盛体質向けにブレンドした薬膳茶です。

 

緑豆、菊花など、清熱効果の高い食薬を中心にブレンド。

甘草とドライアップルのほのかな甘味で飲みやすいお茶です。

今回、ブレンドをリニューアルし、さらに飲みやすい風味となりました。

普段からの暑がりさんはもちろん、

これからの厳しい暑さ対策としてもぴったり。

ぜひ熱中症対策にもお役立てください。

 

飲み方は、マグカップにティーバッグひとつと熱湯を注いで3分ほど置くだけ。

ティーバックはそのままにして飲み、

量が半分ぐらいになったらまた熱湯を加えてください。

ティーバッグひとつで1日飲むことができます。

(時期的に傷みやすいので、お茶が濁ってきたり味や香りが変わってきたら

お召し上がりにならないでください)

 

「ルビータイプ」の情報はこちらもご覧ください。

(オンラインショップBASEのサイトにジャンプします)

https://tsubameyakuzen.com/contents_186.html



■つばめ薬膳アカデミーからのお知らせ■ーーーーーーーーーーーー

 

◆薬膳師のためのブラッシュアップセミナー◆

月ごとに平日と週末の各1回開催。

「冷え症」「むくみ」など毎月1テーマを設け、

中医学的な見立て方や薬膳レシピを立てるポイントをお伝えします。

7月…「夏バテ」7月5日(日)、10日(金)

8月…「むくみ」8月2日(日)、7日(金)

※6月より教室でのご受講を再開しました。

 ご希望の方はオンラインでもお受けいただけます。

https://tsubameyakuzen.com/contents_166.html

現在7月、8月ともお申し込み受付中です。



◆「薬膳師のための方剤学講座」◆

中医学・漢方の入り口の案内役となることの多い

薬膳のプロ・先生だからこそ、知って活用していただきたい「漢方薬」。

この講座では、特に薬店などで手に入る「漢方薬」に絞って

それぞれの効能や使い分けをご紹介します。

途中入学、単回受講ともにOK。オンライン受講可能です。

7月…「尿トラブル」7月5日(日)

8月…「かぜ」8月2日(日)(予定)

https://tsubameyakuzen.com/contents_202.html



◆つばめ相談室◆

薬膳を仕事にするあなたのための120分。

講座をどう組み立てる?

薬膳メニューを導入したいけれど、どうしたらいい?などなど、

仕事をする中で生まれた疑問・お悩みの解決にお役立てください。

https://tsubameyakuzen.com/contents_18.html



◎その他お知らせ

◆「体質タイプ・薬膳茶」オンラインでもお求めいただけます◆

渡辺の体質改善プログラム「体質タイプ・コンサルティング」で

お伝えしている8つの「体質タイプ」。

このほど、それぞれのタイプに合わせた薬膳茶を開発しました。

ちょっと一般では手に入りにくい薬膳素材もラインナップしています。

https://tsubameyakuzen.com/contents_176.html

 

◆渡辺真里子のLINE公式アカウント、配信しています。

季節の暦の節目にその時期におすすめの食材・養生法などをお知らせします。

メッセージで食材名を送信すると、その食材の薬膳的効能もお伝えしています。

出先でちょっと効能を調べたい、という時にご利用くださいね。

https://lin.ee/c0R1Zhc