教室をされていたりすると、
生徒さんからアレルギーに対してどう対処したらいいか
という質問を受けることもあるのではないでしょうか?
やっぱり、薬膳を学ぶ人ってご自身やご家族の健康に
なにかしら問題を抱えている人が多いですからね。
(逆に言うと、それが学ぶきっかけだったりしますよね)
で、こういう場合、どうお答えしたらいいか悩ましいところでもあります。
そこで、今回はそんな時のためのヒントをお伝えしますね。
(あらかじめお断りしておきますが、
今回テーマに取り上げる「アレルギー」には「食物アレルギー」は含みません。
鼻炎やじんましんなど、呼吸器や皮膚に出やすい季節性のアレルギーについて
お話ししています)
さて、春になると花粉症で辛い思いをする人をあちこちでお見かけします。
これ、「花粉症」というぐらいですから、
現代医学では原因を空気中に飛散する花粉と考えているわけですけれど。
じゃあ、薬膳・中医学ではどう考えているかというと、
「風邪(ふうじゃ)」による影響と考えます。
風邪…、どんな特徴があったか覚えてます?笑
教科書的には「軽揚開泄(けいようかいせつ)」といって
軽く舞い上げるとともに扉をあけて漏らしてしまう
という特徴がまず挙げられます。
つまり、私たちの身体に影響すると、
バリアを破って体表に侵入してしまうということ。
そして、その影響は身体の上半身、特に頭部に現れやすい、ということです。
花粉症って、症状が頭部に出やすいですよね。
風邪が盛んになる春は、バリアである衛気が破られやすい季節。
だから漏らしてしまう=鼻水や涙、かゆみなどが出てきやすくなるのですね。
ということは、薬膳的にはどう対処したらいいでしょう?
ちょっと考えてみてください。
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考えてみました?
そもそもアレルギーは体質によるところが大きいので
根本的には体質改善を目指すのがいちばんです。
でも、これからの季節は症状が出てしまいやすいので、
そう悠長なことも言ってられません。
だから、ポイントはいかに風邪からの影響を避けるか、ということにつきます。
ということは、まずひとつ言えるのは予防的な対策として
風邪に破られないよう、バリア機能を高めておくこと。
中医学でいう、衛気を強めるということです。
衛気は気の種類のひとつですから、
気を高めておく、体力を落とさないようにする、というのがひとつ目の対処法です。
薬膳なら補気に優れた食材、代表的なところではお米とかいも類などをすすめます。
消化にも気を消耗するので、なるべく消化のいい調理をしたものがいいですね。
そしてもうひとつ。
風邪の影響を受けて、症状が出てしまった場合は
身体に入り込んだ風邪を取り除く必要があります。
そこで活躍するのが発散の効能を持つもの。
代表的なところでは、しょうがとかねぎ、しそ。
いわゆる解表類です。
つまり、以前(11月号)お伝えしたカゼの対処方法を応用します。
基本的にはしょうがなど辛温性のものを使いますが、
症状によって寒熱の区別をしてくださいね。
例えば、熱感があってかゆいとかだと辛涼性の菊花などをすすめます。
予報によると、今年のスギ花粉の飛散量は比較的少ないのだそう。
それでもお悩みの人にとってはこれから辛い季節になりますよね。
上手に薬膳の知識を活かして、少しでもラクに春をすごせますように。
■2月の暦■ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
2月に訪れる二十四節気と七十二候の暦です。
教室の生徒さんにお伝えしたり、お店のメニュー作りの目安にしたり
ご相談者さんへのアドバイスの参考にしてくださいね。
◇大寒…1月20日
1年で最も寒くなる時期。そして冬の最終盤です
・末候:鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく)…1月30日
◇立春…2月4日
いよいよ春のスタート。昔はこの日がお正月でした
・初候:東風解凍(はるかぜこおりをとく)…2月4日
・次候:黄鴬見睨(うぐいすなく)…2月9日
・末候:魚上氷(うおこおりをのぼる)…2月14日
◇雨水…2月19日
雪が雨に変わる頃。梅もそろそろ咲き始めます
・初候:土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)…2月19日
・次候:霞始靆(かすみはじめてたなびく)…2月24日
・末候:草木萌動(そうもくめばえいずる)…3月1日
二十四節気とは1年を24等分(約15日間)した季節の暦。
そしてそれをさらに3等分(約5日間)したものが七十二候です。
それぞれの名前は気象や動植物の変化にちなんだものがつけられており、
季節の変化を知る上でとても役に立ちます。
まだまだ寒さは続きますが、暦ではいよいよ春のスタートです。
春の特徴は「陰消陽長」。
日毎に陽気が伸び、日が長くなって春らしい明るさを感じるようになります。
陽気が勢いよく伸びていく頃ですから、
身体の方もさまざまな変化が見られるようになる時です。
今回テーマにした花粉症などのアレルギーもそうですが、
実は神経痛や頭痛などの痛みも出やすい頃。
寒邪によって陽気の巡りを阻滞されやすいからです。
春とはいえ、まだまだこの時期は寒さ対策が必要。
特に首と名のつくところ(首、手首、足首)はしっかりと守りましょう。
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先日お伺いのメール
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