神戸市・薬膳専門家さんのための教室 つばめ薬膳アカデミー
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薬膳の大先輩方は本当にお元気なのです

2018/11/29
私が所属している「日本国際薬膳師会」は国際薬膳師など薬膳の国際資格を持った、いわば薬膳の専門家の団体です。

このたび設立15周年を迎え、それを祝う記念式典が11月24日に行われました。

その当日の様子は、アメブロの方に書きましたので、よかったら読んでみてください。



ここでは、その時に感じたことを書いてみたいと思います。

いやー、なんといってもみんな元気だわー!笑




今回の記念式典のテーマは「人生100年 今こそ薬膳養生」だったのですが、

うちの会、それがまごうことなき現実となりつつあります。

というのも、

70代はおろか、80代の大先輩が山ほどいらっしゃるからなのです。

最高齢は現在88歳!!

そしてその多くは役員として、日々、会のためのさまざまなお仕事をしてくださっています。

もう、みなさん本当にパワフルなんですよ。

私も一応役員の端くれではあるんですが、すっかり「若い人」扱い。
(50代で「若い人」って呼ばれるところってあまりないよねえ・苦笑)

今回も、司会進行に加え祝賀会のカメラマンとして走り回るお仕事でお手伝いしてまいりました。


でね、なぜ先輩方がこんなにお元気なのか、ということを考えてみたのですが、
ひとつはずっとお仕事をされてきた方が多いということ。

実は国際薬膳師を取られた方の中には栄養士さんが多いのです。

(以前、東京で栄養士さん向けの資格取得のための講座が行われていた関係です)

定年まで勤め上げて、なおかつ今も活動中、という方がたくさんおられます。


そしてもうひとつが、みなさん「よく食べる」こと。

以前に何度か、役員の集まりでお食事をご一緒したことがあるのですが、まーみなさんよく召し上がる。

80代の先生でも、私よりたくさん召し上がります。

そして、美味しいものをよくご存知。

栄養士、薬膳師という食に関わるお仕事柄、食べることがお好きなんでしょうね。

「健啖家」とはまさにこういう人のことをいうのだと思いました。


で、改めて中医学的に考えてみると。

お仕事をずーっと続けている、それも定年後も活動し続けている、ということは

強い「志」をお持ちだからだと思うのです。

「志」は「五神」のひとつに挙げられますが、関わる五臓は「腎」です。

つまり、人生の目標・使命をはっきりと持っている人は、おそらく生命力も強いと言えるのでしょうね。

(逆のパターンを挙げれば、定年後自宅にこもるようになると一気に老けた、ということもありますよね)


そして「よく食べる」ということ。

以前、「胃気」の話を書きましたが、やはり食欲があるということは生命力の反映でもあります。

そして、食べて営養するということは、身体に正気をしっかりと補うことができるということ。


「生命力」ということを考えた時に、大切なのはまず「先天の本」である「腎」。
(生まれながらの生命力を蔵している場所ですね)

そして日々の生命力を養うために働いているのが「後天の本」の「脾」です。

だから、うちの会の大先輩方がお元気にならないわけがない!笑

少しでも見習っていきたいところです。


そして、もうひとつ思うのが、

やはり「薬膳を学ぶことによって自分の体調もよくなった」という経験をした人が多いこと。

それは、薬膳理論に基づいて食事を工夫されていたからかもしれないし、

薬膳を学ぶことで、自分の身体への理解が進んだことも関係しているかもしれません。

五臓六腑、精・気・血・津液、

こういう概念を知ることは、ただ単に学問というだけでなく
実際に自分の身体に当てはめてみることで、自分の身体の状態の理解がぐっと進みますよね。

そして、もっと上手に労ろう、養生しよう、という発想にもつながります。

大先輩方がお元気なのは、
こういう知識を熟知していらっしゃることも関係しているんじゃないかな、と思いました。


「人生100年時代」の到来と言われ、
これからどんどんセンテナリアン(100歳以上の人)が増えていかれると思います。

その後押しとして、薬膳の知恵が広く活用されれば、仕事として携わる者としてうれしいことだなあ、と思います。


ところで、先ほどご紹介した最高齢の大先輩。

式典後の祝賀会でスピーチをしていただいたのですが、

「私はスピーチじゃなくて歌います」と言っていきなりアカペラでお歌いになりました。
(歌は「愛の讃歌」)

いやーすごかった。

声量もすごかったし、オーラもすごかった。

一気にその場の空気を持っていかれました。

さすが、大先輩でございます。